前回は、何度も試作を重ねたお菓子づくりについてご紹介しました。今回は、そのお菓子たちを並べるお店づくりについてお話しします。

来瑠未堂をつくるにあたり、私たちが目指したのは、単にお菓子を買うためのお店ではありません。

善光寺仲見世通りという特別な場所に根ざし、信州を代表するお店として、多くの方に長く愛される存在になりたい。さらに、長生堂が大事にしてきた「平和や幸せへの願い」も大切に受け継いでいきたい。そんな想いを形にするには、お菓子が並ぶだけの空間では足りないと考えました。

そこで目指したのが、文化や物語が息づくアート空間です。

本物のオニグルミでつくったアートパネル

アート作品の制作をお願いしたのは、新潟のデザイン会社さん。なかでも象徴的なのが、店内に設置された大きなアートパネルです。

実はこの作品、本物のオニグルミでできています。

完成作品に使われたのは約2,500個のくるみ。しかし制作のためには、その4〜5倍ものオニグルミを集める必要がありました。大きさを揃える選別作業から始まり、一つひとつを半分に削り、洗浄し、色を染め分けていく。想像を超える手間と時間をかけて完成した作品です。

描かれているのは、白い鳩と大きなくるみ。

本物のくるみを敷き詰めたアートパネル
本物のくるみを敷き詰めたアートパネル

鳩は平和への願いを、くるみは来瑠未堂そのものを象徴しています。無数のくるみが集まって一つの絵になる姿は、多くの方とのご縁によってお店が成り立っていることにも重なって見えます。

くるみといえば、やっぱりリス

来瑠未堂の店頭で皆さまをお迎えするのは、大きなくるみを抱えた愛らしいリスです。

平和への願いを込めた鳩とともに、来瑠未堂を象徴するもう一つのシンボルになってほしいという想いから誕生しました。

善光寺を訪れる方々に、ほっと心が和むひとときを届けたい。そして、「善光寺といえば、あのリスがいたね」と思い出していただける存在になってほしい。そんな願いを込めています。

多くの方が足を止め、思わず一緒に写真を撮りたくなるフォトスポットとして、善光寺の思い出の一つに、来瑠未堂のリスも仲間入りできたら嬉しいです。

後ろ姿をお披露目します
後ろ姿をお披露目します

季節で表情を変えるシンボルツリー

店内の奥には、ウォールナット材でつくられたシンボルツリーがあります。

季節ごとにリスやくるみの飾りを加えたり、冬にはクリスマスの装飾を施したり。訪れるたびに新しい表情を楽しんでいただける存在です。

さらに、商品棚や什器の一部にも、本物のくるみをぎっしりとあしらいました。お菓子だけでなく、空間そのものでもくるみの魅力を感じていただきたい。そんな想いから生まれた装飾です。

くるみワールド!な店内(完成予想図)
くるみワールド!な店内(完成予想図)

アートパネル、リスのオブジェ、シンボルツリー、そして本物のくるみを使った装飾の数々。店内のあちらこちらに散りばめられたくるみたちが、来瑠未堂の「くるみワールド」をより豊かに彩ります。

次回、第7話では「この建物を、受け継ぐ。」―来瑠未堂の舞台となる、長生堂の建物についてご紹介します。どうぞお楽しみに。