くるみの話

Our Walnut

小さな実に秘められた、驚きの力

くるみは世界中で古くから親しまれている木の実です。
数ある木の実のなかでも、くるみはオメガ3脂肪酸を最も多く含んでいます。
さらにポリフェノールやメラトニンなど抗酸化値が最も高く、ビタミンやミネラルをはじめ、食物繊維などが豊富に含まれます。

コレステロールゼロ、低糖質でグルテンフリー。「スーパーフード」と呼ばれる所以です。

くるみは縄文時代から

くるみは世界史的にも「世界最古」の木の実で、原産地はイラン。だからヨーロッパに伝えられたくるみは「ペルシャグルミ」と言われます。さらにアメリカにもペルシャグルミはわたりました。

日本では縄文時代から食べられていました。
日本の在来種は「鬼ぐるみ」や「姫ぐるみ」。鬼ぐるみは特に殻が固くて割れにくい。苦労した記憶のある方もいらっしゃるでしょう。

西アジアから中国、朝鮮半島を経て江戸時代に伝わったのが「テウチグルミ」。日本の在来種より殻が薄くて、手で割れるからと、この名前がつきました。
なるほど!菓子に使われることから別名「カシグルミ」とも。江戸時代からくるみのお菓子があったんでしょうね。

収穫された殻付きくるみ

地球をぐるり、のシナノグルミ

さて、明治になるとアメリカ経由で例のペルシャグルミが持ち込まれます。
それが中国周りで日本に伝わっていたテウチグルミと自然交配してできたのが「シナノグルミ」。西アジアのくるみが東回りと西回りでぐるっと地球を回ってきて、日本で出会ったんですね。不思議なご縁です。

シナノグルミはさらに殻が薄くて割れやすく、実が大きくて食べやすいという優れもの。来瑠未堂でも、東御産のシナノグルミを季節になると扱います。

ちなみに、来瑠未堂で扱うお菓子にはアメリカ産のペルシャグルミを使っています。これまたいろいろ品種があり、一番ポピュラーなのは「チャンドラー種」。色が明るく風味がマイルドです。「ハワード種」は最近の開発品種ですが、チャンドラーより苦みが薄い印象でした。
いつかハワード種を使ってみたいと思っています。

青々と生い茂る木に実るくるみの実

くるみの生存戦略

くるみの木は、雄花(おすばな)と雌花(めすばな)が別々に、時期をずらして咲きます。開花の時期が違うので、自分の木では受粉が完結せず、ほかの木の雄花を受粉し、ほかの木の雌花に受粉させるという、2つの木が必要な植物です。

なんでまた?と、びっくりでしたが、それは一本の木の中で自家受粉してしまうと、遺伝子の多様性が失われ、病気や環境の変化に弱い子孫ができてしまうから。
それを防いで強くしぶとく生き残ろうという「くるみの生存戦略」です。

多様性が生き残りのカギなのか、だから何千年も生き残ってこられたんですね。